「やりたいことがなくても大丈夫」──小林賢太郎『表現を仕事にするということ』を読んで

小林賢太郎『表現を仕事にするということ』を読んで、進路と夢の話をしたくなった。

今回は、小林賢太郎さんの本
『表現を仕事にするということ』 を読んだ感想を書きます。

ラーメンズの小林賢太郎さん。
「表現」の人の本だから、もっと芸術寄りの話かなと思ったら――
めちゃくちゃ現実的で、人生と仕事に効く本でした。

読んでいるうちに、頭の中でずっと考えが回り始めたので、
印象に残った言葉と、そこから自分が思ったことをまとめます。


①「プロ」とは、アンテナを張っている人

本の中で一発目から刺さったのがこれ。

プロとは、日頃からアンテナを張っている人。
結局は自覚の問題。

技術とか肩書きよりも前に、
「普段の姿勢」がプロを作るってことなんだと思う。

  • 日常で何を見て、何に反応して
  • 何を拾って、どう考えているか

ここが、静かに差を作る。


②「才能あるね」って、便利すぎる(そして曖昧)

よく言うじゃないですか。

「君、才能あるね」

でも小林さんの視点が面白い。

才能があるねと言う人が、
才能を見抜く才能を本当に持ってるのかは疑わしい。

つまり、“才能”って言葉は簡単に使えちゃうんですよね。
そして簡単に使える言葉ほど、危険でもある。

「才能」で片づけると、努力も背景も見えなくなる。


③努力は“我慢”じゃない。努力は“幻想”でもある

これ、かなりインパクトありました。

努力って、やりたくないことを我慢して頑張ることじゃない。
自分自身を良くするために、
自分がやりたいことのためにやるもの。

だから努力は本来、我慢じゃない。

ただ現実、勉強って「我慢」に見えがち。
その差を生むのがここだと思いました。

「腹落ち」してるかどうか

  • なぜこの問題集をやるのか
  • なぜこの課題が出されたのか
  • その先に何があるのか

ここが腑に落ちてないと、努力は苦行になる。
逆に、腹落ちした瞬間に努力は“自分のもの”になる。


④「才能あるね」と言われたら、こう思え

この考え方、好きでした。

「閉めしめ、バレてないな」と思えばいい。
だって裏で努力してるから。

才能に見える人は、裏で積み上げてる。
ダンスでも、勉強でも、仕事でも、これ本当にある。

「簡単そうに見える」って、
だいたいその人が“見えないところ”でやってる証拠。


⑤「やりたいことがない」は焦らなくていい

今回、いちばん話したかったのがここ。

進路面談で、つい聞いちゃう質問。

「将来、何になりたい?」

軽く聞いたつもりでも、
実は相手にとって重いことがある。

本の中に、こう書いてあった。

やりたいことがない人は別に焦ることじゃない。
どうせ社会に出たら、
やりたい・やりたくないに関係なく働くことになる。

そしてここが核心。

やりたいことがない=なんだっていい=自由。

これ、すごく救いになる言葉だと思う。

「決まってる子」も実は危ういことがある。
それしか見えなくて、視野が狭くなることもある。

逆に「何も決まってない」は可能性が広い。


⑥僕の進路は寄り道だらけだった(だから言える)

僕もよく聞かれます。

「先生って、どうやって進路決めたんですか?」

正直、最初から先生になりたくてなったわけじゃない。

  • まずはダンスに人生かけた(インストラクターっぽいこともした)
  • 映像に興味が出てテレビ局に入った
  • すぐ辞めた(笑)
  • そこから教員になった

じゃあ、なんで先生になったのか。

それは「憧れ」よりも、
反面教師としての経験が大きい。

中高時代、先生が放置気味だったり、
相談できる大人が少なかったり、
悩んだ時に孤独だったり。

だからこそ、

目の前の生徒に伴走できる大人になりたい
そう思って先生になった。


⑦夢は「名刺」じゃない。“動詞”にすると世界が広がる

これ、めちゃくちゃ使える考え方。

「パン屋になりたい」って言うけど、
夢って本当は“名刺”みたいに一言で終わらせるのがもったいない。

例えば、

  • パン屋になる
    毎日パンを届けて、食卓に笑顔を増やしたい
  • 画家になる
    絵を仕事にしたい
  • 看護師になる
    困っている人を助けたい

こうやって “動詞”に言い換えると、道が増える。
夢の幅が一気に広がる。

これ、進路指導でも超使える。


⑧憧れと夢は違う。他人にはなれない

本にあった言葉もすごく良かった。

ピカソみたいになるのは夢じゃなく憧れ。
憧れと夢は別物。

他人は自分になれない。
自分も他人になれない。

だからこそ大事なのは、

  • その人のどこが素敵なのか
  • どこは真似したいのか
  • 自分の強みは何か

ここを掛け算して「自分の形」にしていくこと。


⑨「夢を探せ」は、大人の焦りになることもある

最後にこれも大事な視点。

「やりたいこと決めろ」
「将来どうするの?」

それって、時に大人側の焦りが乗る。

親世代(昭和の感覚)は、せっかちになりやすい。
「安定ルート」が正解に見えるから不安になる。

でも人生って、何が正解かわからない。

だから僕は、
大人になればなるほど “寛容”でありたいと思う。


まとめ:この本は「表現」だけじゃなく「人生」に効く

『表現を仕事にするということ』は、
表現者の話なのに、進路や働き方に直結する言葉が多かった。

  • プロ=アンテナと自覚
  • 才能は便利だからこそ扱い注意
  • 努力は我慢じゃない(目的が腹落ちすると変わる)
  • やりたいことがなくても焦らなくていい
  • 夢は名刺じゃなく、動詞で語ると広がる
  • 憧れと夢は違う。自分の形を作ればいい

読んだ後、妙に背筋が伸びる本でした。


おまけ:耳でインプットは強い

僕は映像を“見る”より、
ラジオやYouTubeを“聴く”のが好きです。

話の「間」や「熱量」、人の温かみって、
早送りや要約じゃ拾い切れない。

Audibleでも、聞く系YouTubeでも、
耳インプットおすすめです。


コメントを残す